3つのリノベーションのデメリット-良いことばかりではないリノベ

[記事更新日]2020/04/22

このコラムをご覧になられている方は「リノベーション」という言葉の意味はご存知かと思います。

年を追うごとに増えている空き家問題や、首都圏の中古マンション成約件数が新築マンションの供給量を初めて上回るなど、これらの時代背景を元に、「リノベーション」というキーワードはこの数年間で大きく注目を集めるようになりました。

築20年~30年の古くなった中古マンションや中古戸建を改装し、新たな価値や個人のライフスタイルを住空間に加えるこのリノベーション。
リノベーションを扱う業社が多くなったことで、メリットばかりがクローズアップされていますが、勿論、デメリットもございます。

ここでは、リノベーション会社が多く語らない【リノベーションのデメリット】について、詳しくご説明したいと思います。

目次-contents-

まずはおさらい【リノベーションの3つのメリット】

中古リノベーションのメリット

画像でネタバレしてしまっていますが、まずは軽くリノベーションのメリットについておさらいしてみましょう。

何を隠そう、弊社も「中古+リノベーション」のワンストップサービスを提供する立派なリノベーション会社です。
もちろん、私たちはこのサービスが今の日本の住環境をもっと良くするものだと確信して日々仕事に励んでおります。

そんな私たちが考えるリノベーションのメリットは大きく3つございます。

リノベーションのメリット:その①【物件の選択肢が増え、好立地を選びやすい】

日々お客様からお問合わせがある中で一番多いのは「良い物件が見つからず、物件探しに疲れ果てました。。。」という問い合わせです。

特に新築マンションや新築戸建だけで物件を探されている場合には、希望するエリアで希望通りの新築の戸建やマンションを探すのには大変苦労するかと思います。何故なら、駅近や都心部にアクセスの良い好立地には、既にマンションや戸建てが立っているからです

勿論、好立地の新築マンションなども売りに出されてはいます。しかし御存知の通り、東京都内の駅近新築マンションは実質賃金が中々上がらない実体経済を尻目に、この数年で大きく値上がりしていて手が出しづらくなっています。

そこで中古+リノベーションの出番です。
市場に出ている数多くの中古マンションや中古戸建、そのままでは決して人が住めないような古い物件でも。

・【before】築20年以上の中古マンションの室内写真

▼▼リノベーション後▼▼

・【after】上記同物件をリノベーションした弊社の施工事例

お部屋をフルスケルトン(全解体)することで、このようにまるで注文住宅のような空間が中古物件からでも作り出すことができるのです。

ですので、

  1. これまで新築しか目の向かなかったお客様にも、中古物件の選択肢が増える
  2. 中古物件を見ていたお客様にも、より築年数が古い中古物件の選択肢が増える

というメリットが、リノベーションから生まれます。

リノベーションのメリット:その②【同じ条件の新築物件と比較して、低いコストで住める】

新築戸建てを建てる時には、比較的安い住宅メーカー様でも1㎡あたり20~30万円ほどの工事費になることもあります。東京都23区内の新築マンションに至っては、1㎡あたり100万円ほどが現在の相場となっています。(※マンションエンジン調べ)

しかしリノベーションでは、建材の選定やデザインのテーマなどにより、工夫次第では数百万円で施工できるケースもあります。(ちなみに、弊社の1㎡あたりのリノベーション費用はフルスケルトン(全解体)でおよそ18万円前後となっております。)

また、新築マンションや新築戸建ての価格は、新築後15年間で大きく下落し、その後は景気に応じて緩やかに上下します。その後、築20年以降は価格が安定してきますので、購入後数年で市場価格が大きく下降するリスクを避けることもでき、資産価値を担保することができます。

リノベーションのメリット:その③【自分のライフスタイルに合わせて自由に間取りや内装を変更することができる】

これが弊社で一番PRしているリノベーションのメリットです。
これまでの新築マンションや新築戸建てを購入する上での常識は、「住まい(物件)の形に自分のライフスタイルを合わす」ことでした。

しかし、中古+リノベーションという住まいの購入方法が出てきた今、「自分のライフスタイルに住まい(物件)の形を合わす」ことができるようになったのです。

これは、供給者側(ハウスメーカーやマンションデベロッパーなど)の利益優先で造られてきた新築マンションや新築戸建てなどの”新築神話”が、住宅建設用地の飽和や、建築人件費の高騰によって崩れてきたからに他なりません。

不動産、建築業界は今。ようやくパラダイムシフトを迎えようとしているのです。

良いことばかりではない【リノベーションの3つのデメリット】

前置きが長くなりました。ようやくタイトルの趣旨【リノベーションの3つのデメリット】についてご説明したいと思います。

これまでリノベーションの良いことばかりをクローズアップしてまいりましたが、もちろん、良いこともあれば悪いこともあるのが世の常。リノベーションも万能というわけではございません。
それでは、リノベーションのデメリットについてご説明して参ります。

リノベーションのデメリット:その①【すぐに住むことができない】

中古リノベーションを行う際には、中古購入後すぐに引き渡しにはならず、設計・施工工程を経て物件をリノベーションをした後にお引き渡しするため、すぐに住むことができません。

工事内容にはよりますが、物件購入⇒設計⇒施行⇒引き渡しまでに掛かる期間はおよそ3ヶ月~6ヶ月です。

  • 賃貸の更新が1ヶ月後にあるので、それまでに引越したい
  • 3ヶ月後に現在住んでいる物件を売却するので立ち退かなければいけない
  • 子供の小学校入学までに間に合わせたい

これらは実際に中古リノベーションサービスのお客様から上がってきた要望です。
リノベーションのご契約前に引渡し時期のすり合わせなどは行わなければ、想定外の出費や問題を抱えることになることがあります。

契約前は一番気持ちが盛り上がっている場面ではありますし、担当のコーディネーターからも再度確認はあるかとおもいますが、これは必ずお客様の方から確認するようにしてください。

リノベーションのデメリット:その②【解体してみて初めて分かる物件の瑕疵と想定外の補修費】

”瑕疵”(かし)とは、通常、一般的には備わっているにもかかわらず本来あるべき機能・品質・性能・状態が備わっていないこと、を指します。
具体的な例を出すと、中古物件購入時に表面的には状態がよさそうに見えたのに、いざ壁を剥がしてみたら排水管に水漏れがあったり、柱にヒビが入っていたりといった予期せぬダメージが見つかることがあります。

そうなると当初の見積金額から、追加の補修費用がかかるので当初予算を超えてしまうことになりかねません。

少ない例ではございますが、リノベーション工事を始めてみないとわからないことはどうしてもあります。
それを踏まえて、事前検査の段階で見積金額を出すのが専門家の仕事ではありますが、どうしても事前には分からないこともございます。

これらはやはり、リノベーションのデメリットと言えるでしょう。

リノベーションのデメリット:その③【建物の構造によってできることとできないことがある】

リノベーションは基本的にフルスケルトン(全体改修)にするため、間取りや設備など様々な変更が可能なのですが、建物の構造によって可能な範囲は限られます。
例えばマンションの場合は、

  • 上下・隣の部屋に影響がない範囲での改修になる
  • 取り除けない柱がある
  • 外壁の塗装をその物件のみ変えるということもできない(マンション共有部であるため)
  • 管理規約によって改修に制限がかかることがある
  • オール電化にするのは電気・ガス等の容量が決められてるために不可なケースがある
  • 工事音の関係から床材の変更が禁じられているケースが有る

といったことがあります。

戸建てでも同様に、壁や柱、増築についてはできる範囲での改修になります。
特に戸建てでは構造体(耐震や耐久性などの構造上必要な柱や梁)が密接に関わってきますので、希望すれば何でもできるわけではありません。

ただし、これらに関して言えば事前検査の段階で建築士が「これはできる」「これはできない」などを判断して、お客様に提案することができます。この提案が契約前の段階でできないとなると、そのリノベーション会社で契約することは止めたほうが良いかもしれません。

まとめ

中古リノベーションは新築と比べ、より安い費用で希望に叶う物件を、多くの選択肢から選ぶことができます。一方で、あくまでも元々は中古物件ですので、築年数は変わらないですし、予想外のダメージが見つかることもありえます。

これらのメリット・デメリットから考えると、新築物件とリノベーション物件は、それぞれ以下のような方に向いているといえます。

  • 新築:どうしても新築に住みたい・100%の安心感が欲しい・多少高くてもよい
  • リノベーション:割安な物件がいい・できるだけ多くの希望を叶えたい・多少の想定外があっても対応可能な範囲ならよい

中古物件は今後も増えていきます。
そしてリノベーションは今よりもっと一般的になっていくでしょう。

中古リノベーションはお客様を軸に置いたサービスです。是非一度、お気軽に弊社イベントなどにご参加下さい。

 

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